一級建築士の大半の人は働きながら勉強時間を作り血のにじむ努力の末、やっと取る資格だと思います。
私はそんな先輩方を多くみてきました。
血のにじむ努力の末、一級建築士をとったからにはそれなりの見返りが欲しいと思うのは当然なのですが…

一級建築士の資格ってメリットあるにゃ?
建築設計の分野ではとって一人前という風潮がありますが…
メリットはあるの?と問われると、正直なところ考えてしまうことが多い資格だと思います。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
・一級建築士をとったメリットがいまいち感じられない人
・一級建築士をとってから次の転職先を探そうとしている人
上記の方々に対して、一級建築士を取ったメリットが感じられないなら転職を考えた方がいい理由をご紹介します。
この記事で、一級建築士としてキャリアアップしていく人が少しでも増えてくれればい幸いです。
一級建築士をとる7つのメリット

一級建築士をとった場合の代表的な7つのメリットは以下の通りです。
①なんでも設計できる
②施主や社内外からの信頼を得る
③昇級昇進して給料がアップする
④大きなコンペやプロポーザルに参加できる
⑤構造、設備設計一級建築士の受験資格を得る
⑥重要な仕事を任される
⑦管理建築士になれる
①なんでも設計できる
一級建築士をとった場合のメリットは、なんでも設計できることです。
一級建築士になれば規模の規制がなくどんなものでも設計できるようになります。
※具体的な業務範囲についてはこちらをご参照ください。

なんでも設計できるなら大きな規模の設計がしたいにゃ?
なんでも設計できるからといって、当たり前ですが経験のない構造や大きな規模の設計には苦労すると思います。
しかしながら、基本的な知識の下地はあるので実施設計、構造や設備設計に強い設計事務所のサポートがあればなんとかなります。
基本設計だけでは報酬が少ないので最初はサポートしてもらい、ゆくゆくは実施設計まで自分で行えるようにする努力は必要です。
②施主や社内外からの信頼を得る
一級建築士をとった場合のメリットは、施主や社内外からの信頼を得ることです。
施主や発注者から信頼されるために肩書きとしての一級建築士は必要だと思います。
また、現場監理をする時に施工業者に対して法的な是正や指示を出す時の発言力が高まります。

一級建築士じゃないと信頼を得ることはできないにゃ?
そんなことはないですが、一級建築士を持っている方が発言に説得力があるので信頼を得やすいと思います。
一級建築士として社内では自分の担当する案件の法的チェックするのは勿論ですが、
後輩などの設計にアドバイスすることで信頼を得ることができます。
一級建築士として信頼されることで仕事が自分の思い通りに進められるメリットはあります。
③昇級昇進して給料がアップする
一級建築士をとった場合のメリットは、昇級昇進して給料がアップすることです。
設計事務所の場合は一級建築士が何人在籍しているかで設計事務所としての信頼を得ることができます。
実際に私も一級建築士になってから社内での評価も上がり、給料がアップしました。

昇給昇進して他にいいことがあるにゃ?
会社勤めだと社内のポジショニングはとても重要です。
私が設計事務所で勤めていた時、一級建築士でない先輩のことは正直なところ軽んじていたところがあります。
差別的な発言で不快に思うかもしれませんが、建築業界で働く場合は上下関係だけでなく資格という肩書きも重要になります。
資格がないからといって後輩から陰で馬鹿にされるのはとても不快ですよね。
④大きなコンペやプロポーザルに参加できる
一級建築士をとった場合のメリットは、大きなコンペやプロポーザルに参加できることです。
コンペやプロポーザルの要件として一級建築士でないと応募できないことがあります。
自治体発注の物件は一級建築士が要件になっていることが多いです。

コンペやプロポーザルをとるとメリットがあるにゃ?
一級建築士を要件にするコンペやプロポーザルはその後に設計・監理まで関われる場合が多いので大きな報酬が期待できます。
参加するときには友人の資格を借りてもいいのですが、その後の設計・監理まで受けるとなると建築士法で名義貸しが禁止されているので難しいことになります。
⑤構造、設備設計一級建築士の受験資格を得る
一級建築士をとった場合のメリットは、構造、設備設計一級建築士の受験資格を得ることができます。
構造や規模により構造・設備設計一級建築士の関与が義務付けられています。
※構造・設備設計一級建築士の関与の要否ついてはこちらをご参照ください。
一級建築士を取ることはそれら資格を取るための必要条件になります。

構造、設備設計一級建築士になるとどんなメリットがあるにゃ?
外注に頼まずに自分でできる仕事の範囲が大きくなるメリットがるので、とても重要な資格となります。
また、構造・設備設計事務所に転職できるチャンスも大きくなります。
構造・設備設計事務所で取り扱っている案件は、契約した実施設計が多いので食いっぱぐれるリスクは少ないです。
設計だけで食べていくなら、構造・設備設計一級建築士の資格はおすすめです。
⑥重要な仕事を任される
一級建築士をとった場合のメリットは、重要な仕事を任されることが多くなります。
社内での重要な仕事を任せられたり、チームリーダーになったりする場合があります。
仕事をしながら一級建築士をとったということは、スケージュール管理や効率の良い仕事ができると評価されることにもつながります。
任せられた重要な仕事が成功すれば、社内でも評価も給与も上がることでしょう。

社内での重要な仕事を成功すると転職や独立の時に役立つにゃ?
転職や独立を考えている場合は、自分の経歴が重要になります。
会社勤めの間はその会社で一番重要な仕事を任されるようにがんばりましょう。
その経験がその先の人生に大きく影響してきます。
⑦管理建築士になれる
一級建築士をとった場合のメリットは、管理建築士になることができます。
管理建築士になるとその会社の全案件に対して一級建築士として関与することになります。
抱える案件は膨大に増えますが、
その分、自分で設計事務所をやっているという実感と、仕事に対するやりがいを感じることができます。

勿論、給与も上がるにゃ?
私は20代の頃、店舗設計事務所で管理建築士をやっていました。
私の場合も役職手当として給与が上がりましたが、とても少なかったですw
給与も上がらず社会的な責任が増したばかりか、抱えている案件が増え事務所で徹夜が当たり前でした。
そんな会社は早く転職を考えた方がいいですね。
一級建築士をとったらすべきこと

前述で一級建築士をとったメリットを見てきましたが、当てはまることはあったでしょうか?
一級建築士をとったらしっかりと次のステップへと進むための準備をした方がいいと思います。
その準備として、一級建築士をとったらすべきことは以下の通りです。
・キャリアアップや転職を考える
・設計事務所の体質を知る
・得たいキャリアは何かを考える
キャリアアップや転職を考える
一級建築士をとったら常にキャリアアップや転職を考えておきましょう。
自分の今している仕事を客観的に見た時、自分のためになるのかを判断するきっかけになるからです。
与えられた仕事をただこなしているだけではその先につながりません。
今は一つの会社に縛られる時代ではないと思います。
そんな中で生き抜くためには、自分自身を強化する以外にないと思います。
一級建築士をとったら常にキャリアアップや転職を考えておきましょう。
設計事務所の体質を知る
一級建築士をとったら自分の働いている設計事務所の体質を改めて見直しましょう。
自分のいる設計事務所の体質は実際に働き始めればわかってくると思います。
年功序列型なのかや成果報酬型なのかはよく言われていることですが、
一級建築士をとったら、
法令遵守型なのか、会社の利益追求型なのかを見極めましょう。
後々に、そのまま会社に留まり管理建築士になった場合、会社の利益追求型はとても苦労すると思います。(自分がそうでした)
会社のトップがどんな人物なのかにもよりますが…
利益追求型の社長は基準法をかわすことで「おれ天才!?」と、勘違いしてしまう傾向が強いです。
そんなトップに自分の資格を預けられますか?
答えはNO!
法令遵守する姿勢と、会社としての社会的な責任を考えていないトップなら転職を考えた方が後々問題にならずに済みます。
得たいキャリアは何かを考える
一級建築士をとったら、これから自分が得たいキャリアをその会社にいて得られるかを考えるようにしましょう。
例えば、
店舗設計ばかりで住宅設計がしたい
RCや鉄骨造ばかりで、そろそろ木造がやってみたい
など、自分が得たいキャリアは人それぞれです。
もし、このままでは自分が得たいキャリアが得られないのであれば、迷わずに転職することを考えましょう。
社長に説得されて、迷って、流されて、そのまま続けることになったら自分の人生が狂ってしまいます。
相談するのはいいのですが、一度自分の勤めている会社に疑問を抱いたら勇気を持って第一歩を踏み出しましょう。
今の日本は生産年齢人口が少なくなっているので、転職するにはいい時代です。
ちょっと探せば、いま働いている会社より条件の良いところは簡単に見つかります。
良い条件と自分の好きな環境で働くことが一番です。
そのためにも、一級建築士をとったらこれから自分が得たいキャリアをその会社にいて得られるかを考えるようにしましょう。
おすすめ転職サイト
建築士向けのおすすめ転職サイトは以下になります。
どのサイトも登録すれば無料で検索することができます。
広告メールなどが結構入ってくる場合があるので、登録用にフリーメールを用意した方がいいと思います。
リクナビNEXT

言わずとしれたリクルートが運営する転職サイトです。
グッドポイント診断などを利用して応募先の企業にアピールすることができます。
また、スカウト登録というサービスがあり、
職務経歴や転職希望条件などを匿名で登録しておくと、あなたに興味を持った求人企業や転職エージェントから直接オファーが届きます。
企業からの注目度ランキング・オファーの数などが確認できるので、自分の転職市場価値がわかります。
取り扱っている求人数はどのサイトよりも数多くあります。
一級建築士転職.com

㍿ジェイエイシーリクルートメントという人材紹介事業をおこなっている会社が運営する転職サイトです。
求人数は1,200件(2022年1月現在)以上あります。
転職サポートに申し込むと転職の目的や今後のご希望、ご経歴、能力、適性、最新の業界動向をもとにJACのコンサルタントが一級建築士の求人をご紹介します。
JACの求人情報は70%が非公開情報です。
一般では見ることのできない非公開の求人を紹介してくれます。
一級建築士の求人に特化したサイトで、高収入の求人が多いです。
A-worker

ユニオンシステム株式会が運営する設計事務所に特化した転職サイトです。
2020年8月にリニューアルしたまだ新しいサイトなので、掲載数は少ないのです。
A-workerは建築設計事務所に特化した求人サイトです。
設計業界に特化したサイトならではのWEB履歴書で専門分野の強みや建築スキルを細かくアピールできます。
設計事務所の担当者と直接チャットができるので話して聞きたい不安を解消できます。
検索項目が細かく設定されているため自分に合った転職先を探しやすい、これから期待のサイトです。
まとめ

今回は一級建築士をとったメリットがいまいち感じられない人や一級建築士をとってから次の転職先を探そうとしている人に対して、
一級建築士を取ったメリットが感じられないなら転職を考えた方がいい理由をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
■一級建築士をとる7つのメリット
①なんでも設計できる
②施主や社内外からの信頼を得る
③昇級昇進して給料がアップする
④大きなコンペやプロポーザルに参加できる
⑤構造、設備設計一級建築士の受験資格を得る
⑥重要な仕事を任される
⑦管理建築士になれる
■一級建築士をとったらすべきこと
・キャリアアップや転職を考える
・設計事務所の体質を知る
・得たいキャリアは何かを考える
いま勤めている設計事務所にストレスや疑問を感じているのであれば、すぐに転職を考えた方がいいと思います。
私もそうでしたが、精神的に病んでしまうと治るまでにとても時間がかかります。
一級建築士はキャリアアップや転職するにはとても有利になる資格です。
この機会に自分の立ち位置を客観的に知り、より良い職場環境を手に入れましょう。
この記事で、一級建築士としてキャリアアップしていく人が少しでも増えてくれればい幸いです。
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