コーヒーのおいしさを引き出すために、コーヒー豆を挽くことが重要です。
この記事では、コーヒー豆を挽く目的、挽き方と抽出方法、コーヒーミルの種類、使い方、保存方法、挽くときのコツを解説します。
記事を読むと、自宅でカフェのようなコーヒーを楽しめるようになります。
コーヒー豆を挽くことは、香りや風味を引き出すために重要です。
挽いた直後から酸化が進み、風味が落ちるので飲む直前に挽きます。
コーヒー豆を挽く目的
コーヒー豆を挽く目的は、以下の2つです。
- コーヒー豆の風味を最大限に引き出す
- コーヒー豆の鮮度を保つ
コーヒー豆の風味を最大限に引き出す
コーヒー豆の風味を最大限に引き出すためには、挽き方が重要です。
コーヒー豆を均一に挽くと、味と香りが均一に抽出されやすくなり、全体の風味が向上します。
コーヒー豆を挽くと水の接触面積が増え、本来の味わいを最大限に生かせます。
挽く過程での熱が風味に影響を与えるため、熱を最小限に抑える方法を選びましょう。
下記の状態を避けるためにも、コーヒーミルの選択や挽き具合の調整が重要です。
- オーバーエクストラクション:抽出しすぎ
- アンダーエクストラクション:抽出不足
コーヒー豆の粒度によって、抽出時間と味のバランスを上手にコントロールできます。
» コーヒー豆の種類を解説
コーヒー豆の鮮度を保つ
コーヒー豆の鮮度を保つために、使用直前に豆を挽きます。
挽いた後のコーヒー豆が酸化しやすく、風味が低下しやすいからです。
挽いた豆は、表面積が増えて空気に触れる面積が多くなり、酸化が進みます。
挽いた瞬間に香り成分が放出されるため、時間の経過につれて香りや味が減少します。
新鮮な状態でコーヒーを楽しむために、挽いた豆はなるべく早く使用することが重要です。
コーヒー豆の挽き方と抽出方法
コーヒー豆の挽き方と抽出方法は、以下の種類があります。
- 極細挽き:エスプレッソ
- 細挽き:エアロプレス、モカポット
- 中細挽き:コーヒーメーカー、サイフォン
- 中挽き:ドリップコーヒー
- 粗挽き:フレンチプレス
極細挽き(エスプレッソ)
極細挽きは、エスプレッソを作る際に最適な挽き方です。
エスプレッソマシンでは高圧をかけて短時間でお湯を通すため、砂糖※のように細かい粒度と相性が良いです。
極細挽きは、エスプレッソ特有の濃厚な風味やクレマを形成するために役立ちます。
クレマとは、コーヒーの表面にできるクリーミーな泡の層です。
クレマは風味や香りを引き立て、エスプレッソにおいて重要な役割を果たします。
コーヒー豆の挽き方はエスプレッソの品質を左右する重要な要素であり、極細挽きが必須です。
※砂糖:粒の大きさが0.2〜0.3mm程度。
細挽き(エアロプレス、モカポット)
細挽きコーヒーは、エアロプレスやモカポットに最適です。
細挽きは砂糖くらいの細かさで、抽出時間とコーヒー粉の接触面積を最適にします。
エアロプレスは、細挽きの粉が短時間で効率的に抽出されるため、手軽においしいコーヒーを楽しめます。
一方、モカポットでは、細挽きがリッチでクリーミーなエスプレッソ風のコーヒーを作り出すのに有効です。
細挽きはエアロプレスや、モカポットでコーヒーの風味を最大限に引き出します。
中細挽き(コーヒーメーカー、サイフォン)
中細挽きのコーヒーは、コーヒーメーカーやサイフォンに最適です。
中細挽きはグラニュー糖※よりもやや細かく、粒度のバランスが取れています。
コーヒーメーカーは一定の速度でお湯を通すため、抽出時間が適度になるので効果的です。
サイフォンは、均一な温度での抽出が可能となり、コーヒーの風味を最大限に引き出します。
中細挽きはコーヒーの抽出時間が適度に長くなり、バランスの良い味わいを提供します。
※グラニュー糖:砂糖の一種で粒の大きさが0.5mm程度。
中挽き(ドリップコーヒー)
中挽きは、ドリップコーヒーを淹れる際に使用される挽き具合です。
中挽きはグラニュー糖と同じくらいの粒度です。
中挽きはお湯がコーヒー粉を通過する際に適度な抵抗を受け、理想的な抽出速度をもたらします。
中挽きのコーヒーの抽出時間は約3〜4分間が一般的です。
時間内で抽出すると、コーヒーの豊かな風味と飲みやすさを最大限に引き出せます。
中挽きは酸味と苦味のバランスが良く、均一な抽出が促進されるため、コーヒー本来の味わいを楽しめます。
粗挽き(フレンチプレス)
粗挽きは、フレンチプレスを淹れる際に最適です。
粗挽きはザラメ※くらいの大きさのため、コーヒー豆とお湯との接触時間を長くする必要があります。
粗挽きは適度に抽出されることで、苦味や渋みのコーヒー本来の味わいを引き出します。
約4分間の抽出時間に適しており、コーヒーの風味を均一に引き出すのに効果的です。
フレンチプレスでおいしいコーヒーを淹れたい場合、抽出時間を長くとれる粗挽きが適しています。
※ザラメ:砂糖の一種で粒の大きさが2mm程度。
コーヒーミルの種類と使い方
コーヒーミルの種類と使い方を、以下の種類ごとに解説します。
- 手動コーヒーミル
- 電動ミル
手動コーヒーミル
手動コーヒーミルは、手動でコーヒー豆を挽くタイプです。
電源が不要で使用できるため、場所を選ばずにコーヒー豆を挽けます。
手動コーヒーミルは、使用者が豆の挽き具合を直接感じながら調整できるのが特徴です。
粒度の調整が可能であり、エスプレッソからフレンチプレス用まで、さまざまな粒度のコーヒーを作れます。
軽量でコンパクトな設計のため、アウトドアや旅行先でも手軽に持ち歩けます。
手動コーヒーミルは手入れも簡単で長く使用できるため、便利で実用的です。
手動コーヒーミルを選ぶ際は容量に注意しましょう!
30gが一度に挽けるかどうかが選ぶ基準になります。
大容量でおすすめの手動コーヒーミルについてはこちらの記事をご参照ください↓
≫大容量の手動コーヒーミル5選
電動ミル
電動ミルは、ハンドミルよりも速く効率的にコーヒー豆を挽けます。
電動ミルは均一な粒度でコーヒー豆を挽けるため、抽出時の味のバランスを良くします。
電動ミルは、ボタン一つで一度に複数人のコーヒー豆を挽くことが可能です。
多くの電動ミルには粒度の調整機能が付いており、エスプレッソからフレンチプレスまで、さまざまな抽出方法に対応しています。
電動ミルの使用時は、豆の量を適切に入れ、過負荷にならないよう注意しましょう。
電動ミルは使用後の掃除も比較的簡単で、メンテナンスも手軽に行えるため、日常的に使う道具としても便利です。
電動ミルは大きく分けると2つのタイプがあります。
- プロペラ式:安価で手入れが簡単。
- 臼式:均一に近いサイズで挽くことができる。
プロペラ式は安価なものがたくさんありますが、
微粉が多く発生し、粒度が均一なコーヒー粉を生成することが難しいです。
購入を検討するのであれば、臼式にしましょう。
臼式でおすすめの機種は以下になります。
BONMAC コーヒーミル ブラック BM-250N
¥23,800
ボンマックのコーヒーミルは業務用でも使われる比較的に小型なタイプです。
お値段は少しお高いのですが、高性能で音も静かです。
挽いたコーヒーの保存方法
挽いたコーヒーの保存方法は、以下の2つがポイントです。
- 最適な保存条件と容器
- 保存する際の注意点
最適な保存条件と容器
最適な保存条件と容器は、風味と鮮度を保つために重要です。
コーヒー豆は以下の要素に弱いため、影響を受けないように守る必要があります。
- 光
- 高温
- 多湿
- 空気
保管のポイントは以下の2つです。
- 保存方法:密閉容器で冷暗所に保管する
- 容器:ガラスやセラミック製で光を遮断できる
コーヒー豆の劣化する要素から守れば、新鮮な状態を保てます。
» コーヒー豆の特性と適切な保存方法を解説!
保存する際の注意点
保存する際の注意点は、酸化を防ぎ風味を保つための注意が必要です。
酸化により風味が損なわれるため、なるべく早めに使用しましょう。
コーヒーを取り出す際は、必要な分だけを取り出し、直ちに容器を密封するのが風味を維持するコツです。
長期保存する場合は、冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
ただし、頻繁に出し入れをすると、温度変化でコーヒーの油脂分の変質を招き、風味の低下につながります。
大量に挽いたコーヒーを保存する際は、小分けにして保存する方法も有効です。
コーヒーミルで豆を挽くときのコツ
コーヒーミルで豆を挽く際は、以下の点を意識してください。
- 必要な量だけ挽く
- 大きさが均一になるように挽く
- 適切なコーヒーミルを選ぶ
- 微粉を少なくする
- 抽出方法や器具に合わせた粒度にする
必要な量だけ挽く
コーヒー豆を挽く際には、必要な量だけを挽くことが重要です。
コーヒーの風味は挽いた直後から失われるからです。
コーヒーを飲む直前に豆を挽くと香り高く、豊かな風味を味わえます。
一度に多くの豆を挽いてしまうと、使用しなかった豆は酸化が進んで風味が劣化します。
特に高品質なコーヒー豆を使用する場合、素材の価値を最大限に生かすために重要です。
必要な量だけコーヒー豆を挽く習慣にすれば、常に最高の味と香りを楽しめます。
大きさが均一になるように挽く
コーヒー豆を均一な大きさに挽くことは、コーヒーの味を一定に保つ上で重要です。
均一な粒度が得られると、抽出時にコーヒーの成分が均等に抽出され、バランスの良い味が生まれます。
コーヒーミルを使用する際は、刃の状態が良好であることを確認し、清掃してから使用しましょう。
挽き方にはコツがあり、一定の圧力をかけながら、ゆっくりと挽くのがポイントです。
速すぎると熱が発生し、コーヒーの風味が損なわれます。
挽いた後は粒度を確認し、必要に応じて調整を行うとコーヒー豆が均等に抽出され、味のバランスを保てます。
適切なコーヒーミルを選ぶ
適切なコーヒーミルを選ぶポイントは以下のとおりです。
項目 | 内容 |
種類 | 手動は操作が簡単で静か。 電動は挽く速度が速い。 |
刃の材質 | セラミック製は、熱を発生させにくく、コーヒーの風味を保てる。 ステンレス製は耐久性が高いが、熱を発生させやすい。 |
メンテナンス性 | 分解、清掃が簡単である。 |
操作性 | 店頭やネットでの評価を確認する。 |
微粉を少なくする
コーヒーの風味を保つためには、微粉を少なくすることが重要です。
微粉が多いとコーヒーは苦味を増し、味のバランスが損なわれます。
微粉を抑制するためには、以下の刃の形状がおすすめです。
- コニカルバー:円すい形状でらせん状に刃が付いている
- フラットバー:平らな形状の刃が上下に対となっている
豆を挽く速度を遅い設定にすることにより、微粉を減らせます。
速度が高いと豆が過熱しやすく、不要な微粉が生じるからです。
ミルの刃が鈍ると豆の挽き具合が不均一になり、微粉が増えます。
定期的な清掃は刃を鋭く保つのに有効です。
挽き始めや挽き終わりにミルを軽く叩くと、ミル内部に残った微粉を排出できます。
豆を低温で保存して鮮度を保つと、微粉を少なくすることが可能です。
抽出方法や器具に合わせた粒度にする
コーヒーの抽出方法や器具に合わせて、以下のように粒度を設定します。
- トルココーヒー:極細挽き(エキストラファイングラインド)
- ウォータードリップ:細挽き(ファイングラインド)
- ペーパードリップ:中細挽き(ミディアムファイングラインド)
- ネルドリップ:中挽き(ミディアムグラインド)
- パーコレーター:粗挽き(コースグラインド)
挽いたコーヒーのおいしい淹れ方
挽いたコーヒーのおいしい淹れ方について、以下の2つを紹介します。
- ペーパードリップで淹れる
- フレンチプレスで淹れる
ペーパードリップで淹れる
ペーパードリップでコーヒーを淹れる方法は、以下の手順です。
- 90°〜96°Cのお湯を準備する
- 紙フィルターをドリッパー※にセットし、熱湯で軽く湿らせる
- 挽いたコーヒーをフィルターに均等に入れる
- コーヒー豆とお湯の比率は1:15〜1:18が目安
- 少量のお湯をコーヒー全体に注ぎ、蒸らし※時間を30秒程度とる
- お湯を徐々に円を描くように均一に注ぐ
- コーヒーの抽出が終わるまで続け、お湯の量は調整する
- 抽出時間は全体で約2分から3分間を目安にする
ペーパードリップはコーヒーの風味を引き出し、クリアで繊細な味わいが特徴です。
※ドリッパー:フィルターをセットするための器具。
※蒸らし:コーヒー豆からガスを抜く重要な工程。
フレンチプレスで淹れる
フレンチプレスでコーヒーを淹れる方法は、以下の手順で行います。
- フレンチプレスのポットを温めるために、事前にお湯を注ぐ
- コーヒー豆とお湯の比率は1:15〜1:17が目安
- お湯を注いだ後、最初の30秒で軽くかき混ぜる
- 全体の抽出時間は4分程度を目安にする
- プランジャー※を均一にゆっくり押し下げる
- すぐにコーヒーをデキャンターなどに移し替える
抽出後にすぐにコーヒーを移し替えるのは、フレンチプレス内に放置すると、苦味が増してしまうためです。
フレンチプレスは、シンプルでありながら深い味わいを楽しめます。
※プランジャー:押し込んでコーヒーを抽出するための軸部分。
まとめ
コーヒー豆を挽く目的は、豆の風味を最大限に生かすためです。
挽き方と抽出方法は以下の種類があります。
- 極細挽き:エスプレッソに最適
- 細挽き:エアロプレスやモカポットに最適
- 中細挽き:コーヒーメーカーやサイフォンに最適
- 中挽き:ドリップコーヒーに最適
- 粗挽き:フレンチプレスに最適
挽いた後のコーヒーは、密閉容器で冷暗所に保存して酸化を防ぎましょう。
コーヒーの挽き方から保存方法まで押さえると、いつでも最高のコーヒーを楽しめます。
» コーヒーの焙煎について解説
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