高齢になり自分で動けなくなる前に終活しておこうと考えて、自宅をお金に変える方法を探している人って多いと思います。
確かに土地や建物を現金化しておけば相続の時に分けやすいです。
また、相続人がいない場合も生前に土地や建物を処分してしまえば、身軽になり心置きなく最後の時を迎えることができます。
私も土地や建物があるのですが、相続人がいないのでどう処分すればいいのか探した時期があります。
そんな中で「リースバック」や「リバースモーゲージ」というものがあることを知りました。
生前に自宅を現金化できる仕組みとして期待していたのですが、詳しく調べるうちに、
「これはとてもおすすめできるものではない!」
という考えに至りました。
なんでおすすめできないのかにゃ?
これらはどう考えても銀行や不動産会社の方が得する仕組みのように思えたからです。
リースバックは土地や建物が高値で売れたとしても家賃が高くなったり、
市場価格の60〜70%で売却することになるなど…
土地や建物を売る側が損をする、逆に言えば銀行や不動産会社の方が得をする仕組みが「リースバック」の正体だと思います。
私は人の弱みにつけ込んで、商売して儲けようとする仕組みのように思えます。
この記事ではリースバックの闇について少し深掘りしてみていきたいと思います。
今回の対象者は以下の人たちに向けて記事を書いています。
・リースバックを考えている人
・リースバックの闇を知りたい人
上記の方々に対して、私がリースバックをおすすめしない理由とリースバックの8つの闇をご紹介します。
この記事がリースバックを考えている人を冷静に考え直せるきっかけになってくれれば幸いです。
リースバックをおすすめしない理由
リースバックとは住んでいる住宅を売却し、売却後は買主から賃借することで、もとの住まいに住み続けることができる不動産の売却方式です。
リースバックのメリットとデメリットについてはこちらの記事をご覧ください↓
私がリースバックをおすすめしない理由は以下になります。
・家賃が高くなる
・買取価格が安い
・事業者の方が儲かる
家賃が高くなる
私がリースバックをおすすめしない理由は、高く売れれば売れるほど家賃が高くなるからです。
リースバック後の家賃の計算は以下の方法で求められます。
家賃=買取価格×7〜13%÷12ヶ月
例えば
買取価格が1,500万円の場合の家賃は、
1,500万×7〜13%÷12ヶ月
=87,500〜162,500円
家賃は約8万7千500円〜16万2千500円となります。
これが高いと思うのかは人それぞれですが、
1,500万円が手に入るといっても、築年数30年の住宅が郊外のマンション(2LDK、築年数10年)と同じくらいの家賃になる…
それ以前に買取価格が高くなれば高くなるほど家賃が高くなるというのは、なんかなんか納得のいかないのは私だけでしょうか?
買取価格が安い
私がリースバックをおすすめしない理由は、買取価格が安いからです。
一般にリースバックでの買取価格は市場価格の60〜70%になります。
1,000万円で売れる住宅でも600〜700万円になってしまうということです。
それなら市場価格で売却して安い賃貸に引っ越した方がいいと思います。
そもそもリースバックに向いている人とは、
・高齢者の人
・その土地から離れたくない人
・相続を考えなくていい人
に向いています。
たとえ一時的に現金600万円が得られたとしても、家賃が月々6万円発生れば9年で無くなってしまいます。
それよりも、1,000万円で売却して家賃5万円の賃貸に引っ越せば、10年後に400万円手元に残っている計算になります。
高齢になってからの賃貸契約は断られる場合もありますが、
市場価格で売却して安い賃貸に引っ越した方が手元にお金を残しておけるので安心だと思います。
事業者の方が儲かる
私がリースバックをおすすめしない理由は、リースバック事業者の方が儲かる仕組みだからです。
リースバック事業者側の視点で考えると、
3,000万円の住宅を市場価格の70%、2,100万円で手に入れることができ、さらにすぐに売却できればその時に3,000万円で売ることができ、900万円の利益を得ることができます。
また、2,100万円で買取った場合でも、月々の家賃収入が12〜22万円入ってくるので家賃収入が月々12万円としても15年で2,160万円となり元が取れてしまうことになります。
つまりリースバックの事業者としては、早く売却することになっても売却時に高い利益を得ることができたり、
賃貸契約が長くなったとしても家賃収入で元が取れてしまうということです。
リースバック事業者として、どちらに転んでも儲かる仕組みがリースバックの正体です。
リースバック事業者の方が儲かる仕組みなので、アフィリエイト案件として単価が高いのも納得がいきます。
リースバックの8つの闇
リースバックの8つの闇は以下が代表的なものになります。
・家賃が上げられる
・勝手に売却される
・買い戻し金額が高い
・修繕費の負担が発生した
・相続人と揉める
・再契約を断られる
・事業者が倒産する
・高額な諸費用が請求される
家賃が上げられる
リースバックの8つの闇のひとつ目は、リースバック事業者から家賃の引き上げ請求が来ることです。
リースバックの家賃は前述した計算方法で算出されますが…
正直なところリースバック事業者は周辺地域の家賃相場と比較して割高になるように設定することが多いです。
またリースバックの契約時より周辺地域の家賃相場が上がれば、リースバック業者も更新のタイミングで家賃を引き上げようとしてきます。
リースバックの契約時に、
「更新の際に家賃を上げることはしない」
と口約束したにもかかわらず、賃貸借契約の更新タイミングに家賃の値上げを要求される…というのはよく聞く話です。
結局提示された家賃を払いきれず、やむなく引っ越しを決断する方も多くいます。
勝手に売却される
リースバックの闇は、リースバック事業者が勝手に売却してしまうことです。
リースバックした物件に「勝手に売却をしない」という約束があったにもかかわらず売却され、その後の賃貸契約更新を断られるケースです。
リースバック事業者にとってリースバックとは儲かる金融商品でしかないのを頭に入れておきましょう。
そのため購入した物件がより高く売れる見込みがあれば、売却してしまう可能性があります。
物件に住んでいる身としては、貸主が急に変更となったと聞くと不安に感じるかもしれませんが、
一般的には賃貸借契約の内容は新しい貸主に引き継がれます。
通常の賃貸借契約と同様に、賃借人となった売主に通知することなく売却することは問題ありません。
しかし、貸主が変われば家賃の見直しは当然発生します。
勝手に売却され貸主が変われば、最初の契約で「家賃を更新の際に上げることはしない」としていた約束も破られてしまう可能性があります。
買い戻し金額が高い
リースバックの闇は、買い戻し金額が高いことです。
買い戻し金額とは、リースバック契約した家を買い戻すための金額のことです。
買い戻し金額は家賃と同様に、周辺地域の相場よりも高く設定されていることが多いです。
例えば、市場価格が1,000万円の土地建物を買取価格600万円でリースバック契約した場合、
600万円を払えば買い戻せるということではないということです。
周辺地域の不動産相場が1,000万円から1,200万円に上がれば、1,200万円以上の買い戻し金額を提示されることになります。
リースバック事業者からすればこんなに美味しい商品は他にないというのが正直なところだと思います。
修繕費の負担が発生した
リースバックの闇は、修繕費の負担が発生することです。
通常の賃貸借契約では、借主の故意過失によらない設備の故障等にかかる修繕費は貸主が負担することが一般的です。
しかし、リースバック契約においては、売却後も元所有者が住み続けることから、
設備等の不具合の発見が難しいため、特約で修繕費は借主(元所有者)負担と定められているケースがほとんどです。
築年数30年を超える昔の住宅では給排水の配管に鉄管が使われていたので、水漏れのトラブルが多いですが、
その場合は契約締結時に、特約の内容をよく確認して、負担区分を明確にしておかないと借主負担になる場合があります。
また、退去時の原状回復についても、特約でを確認して定められていることがありますので、しっかりと確認しておきましょう。
相続人と揉める
リースバックの闇は、相続人と揉めることです。
リースバックで第三者に知られずに自宅を売却することができますが、
自宅を相続するつもりだった相続人(子供や親戚など)とトラブルになることがあります。
親族にも相談せずに勝手に売却していたとなれば、親族との関係性が悪化してしまうことになりかねないです。
リースバックの利用条件に「推定相続人」の同意は必要ないので、
親族に許可を取る必要はありませんが、相続トラブルを避けるために事前にリースバックを使って売却予定であることを話しておきましょう。
再契約を断られる
リースバックの闇は、再契約を断られることです。
リースバックで自宅を売却後、2〜3年単位での「定期借家契約」を履行することが多いですが、
「再契約可能」と聞いていたのに契約満了時に再契約を断られトラブルになることがあります。
定期借家契約の再契約を断られるケースは多くはありませんが、借主を退去させて早めに転売したいと考えているリースバック事業者もいます。
定期借家契約は、貸主に正当事由がなくても再契約を拒否することができ、そうなれば借主は退去せざるを得ません。
事業者が倒産する
リースバックの闇は、事業者が倒産することです。
リースバック契約している会社が倒産した場合、
賃貸として住んでいる自宅が第三者(競売などでの権利取得者)に売却され、トラブルになることもあります。
売却されて貸主が変われば、賃貸借契約の内容も見直され家賃が上がってしまったり、再契約が断られるケースもあります。
リースバック事業者は不動産会社だけでなく、
儲かる金融商品として出回っているので、
不動産を取り扱った経験のない人が法人化して事業者になっているケースもあります。
当然そのような事業者は、儲けが出なければ会社を廃業することに躊躇いはないと思います。
高額な諸費用が請求される
リースバックの闇は、高額な諸費用が請求されることです。
リースバック利用時の諸費用として、測量費用、耐震補強費用、事務手数料を請求してくる不動産会社がたまにあります。
リースバックでかかる諸費用としては、主に以下のものがあります。
・印紙税
・抵当権抹消手続き(※複数の場合はそれぞれに費用がかかる)
・その他費用(※交通費・書類郵送費など)
となります。
リースバック利用先の企業から上記以外の費用を請求された場合、費用に関する詳細を担当者に確認するようにしましょう。
まとめ
今回はリースバックを考えている人やリースバックの闇を知りたい人に対して、
私がリースバックをおすすめしない理由とリースバックの8つの闇をご紹介してきました。
まとめると以下になります。
■リースバックをおすすめしない理由
・家賃が高くなる
・買取価格が安い
・事業者の方が儲かる
■リースバックの8つの闇
・家賃が上げられる
・勝手に売却される
・買い戻し金額が高い
・修繕費の負担が発生した
・相続人と揉める
・再契約を断られる
・事業者が倒産する
・高額な諸費用が請求される
リースバックは事業者が儲かる仕組みです。
自宅をお金に変えるのであれば、
「市場価格で自宅を売却し、安い賃貸に引っ越す」
のが一番いい方法です。
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タウンライフ不動産売却では、無料で不動産売却査定を一括で行うことができます。
査定価格の最低額と最高額の差が数百万円になることもあります。
複数社から一括査定すると査定価格が比較できるので最高額の不動産会社を見つけることができます。
リースバック広告宣伝の甘い言葉にのせられないように、
しっかりと実情を把握してから行動するようにしましょう。
この記事がリースバックを考えている人を冷静に考え直せるきっかけになってくれれば幸いです。
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