自宅でコーヒー豆を焙煎して、好みのコーヒーを淹れませんか?
この記事では、コーヒーの焙煎の基本から種類、自宅で行う方法、極めるテクニック、焙煎方法、必要なものを解説します。
記事を読むと、プロのようにコーヒー豆を焙煎できるようになります。
焙煎とはコーヒー豆を加熱して化学的に変化させ、風味や味わいを引き出す方法です。
焙煎が浅いと酸味が強くなり、焙煎が深いと苦味が強くなる特性を持ちます。
コーヒー焙煎の基本
コーヒー焙煎の基本として、焙煎の目的と味の変化を解説します。
焙煎の目的
焙煎は、コーヒー豆に香りや風味を与えるために欠かせません。
生のコーヒー豆に熱を加えると、豆内部の水分が蒸発し、複雑な化学反応が起こります。
焙煎によって豆の色、香り、味が変化し、独特のアロマとフレーバーが生まれます。
豆の色や質感が変わり、見た目にも黒く艶のある形へ変化するのも特徴です。
焙煎はコーヒー豆の持つ酸味や苦味、甘味などのバランスを最適化し、味わいを引き出す重要な工程です。
» コーヒー豆の種類を解説
焙煎による味の変化
コーヒーの味は焙煎の度合いに大きく左右されます。
焙煎プロセスでは、豆の水分が蒸発し膨張すると酸味が減少し、苦味が強まることが特徴です。
焙煎が浅いと、フルーティーな風味や明るい酸味が前面に出ます。
一方、焙煎が深まるにつれてカラメル化が進み、香ばしい風味や苦味が増していきます。
以下は焙煎の度合いを示し、ポップコーンのようにはじける現象を指す用語です。
- 1ハゼ:浅煎りの目安
- 2ハゼ:深煎りの目安
焙煎度の違いで風味や味が変化し、コーヒーの味わいに影響を与えます。
» コーヒー豆の酸味について解説
コーヒー焙煎の種類
コーヒー豆の焙煎の種類には、以下の4つがあります。
- 浅煎り(ライトロースト、シナモンロースト)
- 中煎り(ミディアムロースト、ハイロースト)
- 中深煎り(シティーロースト、フルシティーロースト)
- 深煎り(フレンチロースト、イタリアンロースト)
浅煎り(ライトロースト、シナモンロースト)
浅煎りのコーヒー豆は、薄い茶色から明るい茶色に変化し、焙煎時間が短く豆の表面に油が見えないのが特徴です。
焙煎温度は180〜205℃の間で行われ、豆がはじける1ハゼの終了時点で焙煎を停止します。
浅煎りにより、豆の本来の味や香りを最大限に引き出せます。
酸味が際立ち、ライムやジャスミンのような軽やかな風味が楽しめるのが魅力です。
浅煎りは、単一の豆の特性を生かすために利用されるケースが多くあります。
中煎り(ミディアムロースト、ハイロースト)
中煎りのコーヒー豆は、明るい茶色から中茶色へと変化し、表面に油が見えないのが特徴です。
焙煎温度が210〜220°Cで行われ、2ハゼの前に焙煎を止めます。
中煎りの豆はバランスの取れた風味で、適度な酸味と苦味が調和しています。
焦げたような香りは少なく、フルーツやナッツのような香りが楽しめる点も魅力です。
中煎りはアメリカンコーヒーに適しており、カフェやレストランで広く利用されています。
中深煎り(シティーロースト、フルシティーロースト)
中深煎りのコーヒー豆は、焦茶色から豆の表面に少量の油が見えるのが特徴です。
焙煎温度が210〜220°Cで行われ、2ハゼのピークに焙煎を止めます。
中深煎りの豆は多くの日本人に好まれる焙煎度合いで、酸味がほのかに残っている味わいです。
焦げたような甘い香りがあり、フルーツやナッツのような香りが楽しめる点も魅力です。
中深煎りはホットコーヒーだけでなく、アイスコーヒーでも美味しくいただけます。
コンビニコーヒーは一般的に中深煎りの焙煎度合いが多いです。
深煎り(フレンチロースト、イタリアンロースト)
深煎りは長時間加熱するため、豆の表面に多くの油が見られ、光沢のある黒っぽい外観が特徴です。
焙煎温度が220〜230℃で行われ、2ハゼが起こるまで焙煎します。
2ハゼまで焙煎すると、豆は強い味わいを持つようになります。
深煎りは、香ばしい風味や苦味が感じられ、酸味はほとんど感じられません。
ただし、焼きすぎると焦げた風味が生じ、豊かな味わいを損ないます。
深煎りから得られる苦味を生かすために、エスプレッソやフレンチプレスでの使用が多いです。
» コーヒー豆の特性と適切な保存方法を解説!
» コーヒーに最適な抽出温度を焙煎度別、抽出方法別に解説!
自宅でコーヒー豆を焙煎する方法
自宅でコーヒー豆を焙煎する方法は、以下のとおりです。
- 家庭用焙煎機で行う方法
- 手軽に片手鍋で焙煎する方法
家庭用焙煎機で行う方法
家庭用焙煎機を使ったコーヒー豆の焙煎は、初心者でも簡単に始められます。
多くの焙煎機は自動で温度管理を行うため、一定の品質でコーヒー豆を焙煎できるからです。
家庭用焙煎機でおすすめなのは以下になります↓
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熱風式なので浅煎りなどのフルーティーな風味を生かした焙煎が楽しめます。
以下の手順で焙煎します。
- 豆の量:容量に合わせて調整する
- 温度設定:焙煎度合いに合わせて設定する
- 焙煎中:色や匂いを確認しながら調整する
- 焙煎後:豆を速やかに冷却する
焙煎する際は豆が多すぎると均一に熱が伝わらず、少なすぎると熱が強くなるので注意が必要です。
使用後は焙煎機を清掃してください。
家庭用焙煎機を使用すると、家庭でも本格的なコーヒー豆の焙煎が楽しめます。
片手鍋での焙煎方法
片手鍋を使ったコーヒー豆の焙煎方法は、家庭で手軽にできる方法です。
片手鍋焙煎についてはこちらの記事をご参照ください↓
おすすめの理由は以下のとおりです。
- 道具を揃える費用がかからない
- 焙煎度合いを自分で調整できる
- 後片付けが簡単にできる
- 焙煎するコストがかからない
- コーヒー豆の温度変化が分かりやすい
片手鍋での焙煎は簡単にでき、焙煎の過程で豆の色や香りが変わる様子も楽しめます
片手鍋焙煎で必要な道具は以下になります。
- 片手鍋
- カセットコンロ
- タイマー
- スケール
- ザル
- うちわ
- 赤外線温度計
片手鍋は一般的に売られているもので十分にコーヒの生豆を焙煎することができます。
専用の焙煎機器を揃える必要がないため、初めて自家焙煎に挑戦する方にとっては手軽な方法になります。
片手鍋はダイソーの16cmのガラスふた付きの500円のものが便利なのですが、焙煎が進むと蓋や取手が熱くなってしまうので、
私は18cmのステンレス製の片手鍋を使用しています。
焙煎後の豆の扱いと注意点
焙煎後の豆の適切な取り扱いは、コーヒーの味を保つために重要です。
焙煎を進めさせないために、焙煎が終わったら豆を速やかに冷却する必要があります。
冷却した豆は、以下の要素から守りましょう。
- 空気
- 光
- 湿度
- 温度
新鮮さを保つために、焙煎後2週間以内に豆を使用することが理想的です。
豆の保存をする際は、容器が清潔で無臭であることを確認してください。
他の食品の匂いが豆に移るのを防ぐためです。
焙煎した豆の保管は品質を保つために、温度変化が多い場所や湿度の高い場所は避ける必要があります。
焙煎を極める上級テクニック
焙煎を極める上級テクニックは、以下のとおりです。
- 温度と時間を精密な管理する
- 焙煎の均一性を高める
温度と時間を精密に管理する
温度と時間を精密に管理することは、コーヒー豆の風味と品質を守るために重要です。
温度設定が適切でないと豆は焦げてしまったり、十分に焙煎できなかったりします。
焙煎過程での温度上昇率(ROR:Rate of Rise)をモニタリングし、焙煎の均一性を保ちましょう。
RORは60秒あたりの温度上昇率を示し、一定に保つことで均一に熱が入ります。
豆の種類によって最適な焙煎時間が異なるため、焙煎時間も重要です。
時間を正確に管理すると、均一でバランスの取れた味わいを生み出せます。
温度と時間の両方を適切にコントロールすると、求める風味プロファイルを実現できるようになります。
焙煎の均一性を高める
焙煎の均一性を高めるためには、以下の点を意識してください。
- 焙煎機の選択に注意する
- 豆の種類によって焙煎の条件を調整する
- 定期的に豆を混ぜる
- 焙煎中に豆の変化を見ながら調整する
- デジタルツールやセンサーで温度を管理する
コーヒーの焙煎方法
コーヒーの焙煎方法は、以下の種類があります。
- 直火式焙煎
- 熱風式焙煎
- 半熱風式焙煎
- 炭焼き焙煎
直火式焙煎
直火式焙煎は、コーヒー豆を直接熱源にさらす方法です。
高温で急速に焙煎し、豆の外側は香ばしく焼け、内部には濃厚な風味が残ります。
直火式焙煎は濃厚で豊かな味わいのコーヒーが作られます。焙煎時の豆の回転を均一に保つことが重要です。
熱を均一に入れるのが難しく、味がぶれやすいため、熟練した技術が求められます。
直火式焙煎は技術が必要な方法ですが、豊かな風味と香りが特徴です。
熱風式焙煎
熱風式焙煎は、コーヒー豆を均一に加熱する方法です。熱風を用いるため豆に直接炎が触れず、焦げるリスクが減少します。
熱風式焙煎は時間の短縮が可能であり、エネルギー効率が向上します。
豆全体が均等に熱されるため、外側と内側が均一に焙煎されるのが特徴です。
味のバランスが整い、風味が豊かなコーヒーを楽しめます。
熱風式焙煎は豆の本来の風味を保ちながら引き出せるため、高い評価を受けています。
半熱風式焙煎
半熱風式焙煎は直火式と熱風式を組み合わせた方法です。
コーヒー豆が直接熱を受けつつ、熱風により均一に加熱されるため、熱効率が向上します。
半熱風式焙煎は効率の良さから、焙煎時間を短縮できます。
豆の外側と内側が均等に加熱されるので、豆が焦げるリスクを低減し、均一な焙煎が可能です。
繊細な風味や香りを引き出しやすく、高品質なコーヒー豆の焙煎に最適です。
半熱風式焙煎は、高い熱効率と均一な加熱能力を生かし、高品質なコーヒーを生み出します。
炭焼き焙煎
炭焼き焙煎は、炭火を使用してコーヒー豆を焙煎する伝統的な方法です。
炭の種類や量、火力の調整が焙煎の品質に大きく影響します。
炭焼き焙煎は、コーヒー豆から香ばしい匂いと独特のスモーキーな風味を引き出せるのが特徴です。
焼き網や焙煎ドラムを使用すると豆が均等に熱を受け、高品質な焙煎ができます。
炭焼き焙煎は放出される遠赤外線が豆の内部を均一に加熱し、味わい深いコーヒーを楽しめます。
コーヒーの焙煎に必要なもの
コーヒーの焙煎を始める際には、以下の3つが必要です。
- コーヒーの生豆
- 焙煎機(ロースター)
- コーヒー豆クーラー
コーヒーの生豆
焙煎には、コーヒーの生豆の選定と管理が重要です。
生豆は焙煎する前のコーヒー豆で、品質がコーヒーの風味に大きく影響します。
生豆の主な種類は以下のとおりです。
- アラビカ種:酸味と甘味、フルーティーな香り
- ロブスタ種:苦味や香ばしい香り
生豆の色は緑色がかった薄茶色で、焙煎によって茶色から深い焦げ茶色へと変化します。
生豆の品質は、生産地の気候や土壌、収穫後の処理方法によって左右されるので選定時に考慮しましょう。
生豆の保管は湿度や温度の管理が適切でないと、品質が劣化する原因になるので注意が必要です。
適切な保管条件を整えると、焙煎時に最高の品質を引き出せます。
生豆はコーヒーの品質に直結するため、適切な選定と管理が求められます。
コーヒーの生豆はAmazonでも簡単に購入することができます。
コーヒーは生豆の品質で7割がた味わいが決まってしまいます。
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焙煎機(ロースター)
焙煎機(ロースター)は、コーヒー豆の風味と香りを引き出すために欠かせません。以下の違いがあります。
- モデル:家庭用、商業用で容量や機能が異なる
- 焙煎の方式:直火式、熱風式、ドラム式
- 高機能なモデル:温度調節、タイマー機能、冷却機能を備える
焙煎機を定期的にメンテナンスすると、一貫した品質のコーヒーを提供できます。
※焙煎機(ロースター)がなくても自分の飲む分だけであれば、片手鍋で簡単に焙煎することができます。
片手鍋焙煎についてはこちらの記事をご参照ください↓
≫自家焙煎の始め方(片手鍋で焙煎する方法)
コーヒー豆クーラー
コーヒー豆クーラーは、コーヒー豆を焙煎後に冷ます際に効果的です。
焙煎中はコーヒー豆が高温になり、焙煎終了後は冷却することが品質を保つポイントです。
焙煎したばかりの熱いコーヒー豆を素早く冷ますために、豆をかき混ぜながコーヒー豆クーラーで風を送ります。
豆を均一に冷却すると、焙煎の品質が保持されます。
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容量は600gまで一気に冷却可能です。
500gのコーヒー豆を2分程度で冷やすことができます。
下層の細かい網にチャフがたまるようになっていて、掃除も簡単です。
まとめ
コーヒーの焙煎は、豆の風味を最大限に引き出し、おいしいコーヒーを楽しむために重要です。
焙煎度によってコーヒーの酸味や苦味、香りが大きく変わります。
焙煎の種類は以下のとおりです。
- 浅煎り:酸味が強く、苦味は感じられない
- 中煎り:酸味と苦味のバランスが良い
- 中深煎り:苦味とほのかな酸味が感じられる
- 深煎り:苦味が強く、酸味は感じられない
自宅でも焙煎に必要な道具を用意すれば、自分でも行えます。
焙煎後は保管方法に注意が必要です。焙煎の技術を極めると、自宅でもおいしいコーヒーを淹れられます。
コーヒーの焙煎方法を理解すると、自分に合ったコーヒーを見つけられるようになります。
» コーヒー豆の挽き方について解説
» おいしいコーヒーを淹れる抽出方法の基本と種類を解説!
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